独学で受けようと決める前に

独学と決める前にまずはやってみる

社労士の独学は、人気のテキストを買ってまじめに取り組んだとしても成功するとは限りません。
むしろ難易度を考えるとかなり困難ですから、社労士の独学を本腰入れてはじめる前に確認したほうがいいことがあるはずです。

社労士の完全な独学に成功したという噂はときどき、オンラインで流れることがあるようです。
それも、1回きりの受験で、それほどの苦労もせずに成功したという体験談が載ることがあって、それを読んで、「自分にもまねできるかもしれない」と安直に感じて、そこに書いてあったテキストを適当に買ってきて社労士の独学をはじめてしまう人たちがいます。

しかしこれはかなり無謀なギャンブルのようなものですね。
完全な独学をなかなかあきらめ切れない場合は、いったんそれを試してもいいかとは思います。

ただし、これは試験まで最低でも半年以上、できれば7~8ヶ月以上ある場合に限ります(半年以下の場合は、もう独学を試しているような余裕は正直言ってありません。素直に通信講座等でも使ったほうが後悔しないでしょう)。

社労士のテキストをとにかく用意してみて、1~2週間くらいの予定を立てて、独学ができそうかチャレンジしてみてください。
ただし、いわゆる「入門編」であったり、「マンガ」であったりと、ひたすら簡単に読めるようにつくられているものだけで試すのは避けましょう。

できれば全範囲をひと通り網羅しているようなものが適当ですね。

それから問題集もまずひとつ用意しましょう。
問題集を解いてみても、いきなりでは解けるはずもありませんが、わからなくなってきたら教科書のどこに書いてあるのかを探して読んでいきます。

これは、独学の場合もそうではない場合も共通する勉強法ですが、どこまで理解できるか、自分を試してください。

当然のことですが、教科書を読んでもうまく理解できない部分が出てくるはずです。
そうなったとき、独学を試している期間中なのですから自分ひとりで調べ出せるか試してください。

独学は疑問を自分で解決する必要がある

実は、わからないことがあったとき、通学や通信講座利用中の場合はすぐに確かめられます
通信講座も今は質問制度があるのが常識ですし、そもそも講師のほうで、受講者がわからなくなることがないように、意識しながら講義をしてくれます。

独学の場合、わからないことを調べることになって、ものすごく遠まわりをすることが必ず頻繁に発生しますが、通学や通信講座ではそれを防げます。
独学では見逃しやすいことを一瞬で指摘されるのは非常に大きいです。

さて、わからないことがあって立ち往生してしまう場面が少しでもあったときは、社労士の独学は自分には向いていないと解釈したほうが安全です。
時間は限られています。全部を自力で解決できる自信がないなら、独学は回避すべきでしょう。

人気ランキングを見るときの注意

社労士の独学希望者は、「市販のテキストのランキング」を見るときに忘れてはいけないことがあります。
しかし、ネットサーフィン中「市販の社労士のテキストのランキング」に出くわすと、独学者はつい何も考えずにとびついてしまうようです。

ここで大事なことはそのランキングを鵜呑みにするのはちょっと軽率で、その社労士のテキストランキングにしたがって買えば独学ができると過信してはいけないことです。

ところで、前のページまでで、社労士の独学者がよく使用している三大テキストを紹介したばかりですが、「それで、どれを選んだらいいのか?」という疑問がわくのも当然です。
これはひとりひとりの感じ方が違うので究極の正解はありませんが、現在の社労士の独学テキスト人気ランキングをあえてつくるならこうなります。

 

1位 「うかるぞ社労士」シリーズ
2位 「出る順社労士」シリーズ
3位 「ナンバーワン社労士」シリーズ

ただし、この社労士テキストランキングはまったく絶対的なものではありません。
社労士のテキスト人気ランキングを企画しても、順位は頻繁に交代しますから独学者にとって絶対的な順位はないものと思ってください。

1位 「出る順社労士」シリーズ
2位 「ナンバーワン社労士」シリーズ
3位 「うかるぞ社労士」シリーズ

になることもあるわけです。
それから、この3つ以外の社労士のテキストが独学によいとみなされてランキングトップに立つこともあります。

あえて書くならば、初級の独学者が読みやすさや分かりやすさを大優先するなら、「うかるぞ社労士」シリーズがテキストランキングのトップの常連になると思ってもらってもいいでしょう。

しかし、最初のうちから専門性や、もれのない勉強をできるテキストをほしい場合はどうでしょうか? それを投票の目的にしてランキングを行うと「出る順社労士」シリーズや「ナンバーワン社労士」シリーズがランキングのトップの常連に来るでしょう。

社労士の独学者にとって、市販のテキストランキングを見るときは、ささいなことで順位が変動するということは無視できない項目です。
それに、予備校が出しているテキストの大部分は、その予備校の通学申込みを前提につくられている ということも無視できません。

評判のいい市販のテキストや問題集を買うことは無駄ではないですが、「ネット上の世評をただ信じ込むのはうかつだ」と踏まえて、「社労士の独学を助けてくれるものがないか、ほかにも目を向けたほうがいい」ことも踏まえて、残りのページに進んでください。

「ナンバーワン社労士」シリーズ

ナンバーワン社労士

社労士を独学で勉強するなら、テキストを買いに行かないといけませんね。
社労士の独学者によくおすすめされるテキストというと、実は最近は一部のシリーズに人気が集中しています。

そのテキストがどんなシリーズなのか、社労士の独学者になぜおすすめなのか軽く説明します。
ここでは「ナンバーワン社労士」シリーズです。

「ナンバーワン社労士」は社労士独学者にどれくらいおすすめ?

資格の予備校として有名な「TAC」が毎年発行している社労士のテキストシリーズです。
大きな欠点らしい欠点も見当たりませんし、完成されています。勉強経験の乏しい社労士の独学者にも太鼓判を押すようにしておすすめできるテキストだという声が、肯定派の主たる意見です。

肯定派以外の意見はどうでしょうか?
近年は、どんどん変化していく社労士試験の傾向をがっちりとフォローしようとして多少詰め込み気味で、説明が少し読みづらくなっているという人が以前より増えたでしょうか。

基礎の部分や大事な部分にもっと(図表を多めに入れるなどして)ページを割いていたところを、ぎりぎりまでカットしたりするような部分も見受けられます(毎年読んでいるとわかってきますね)。

TACはおすすめの学習機関にあげる声は多いですが、社労士の独学者のテキストとしてはこのシリーズは、いきなり使うよりも勉強のベースをつくってから使うと効果が出やすいかもしれません。

テキストについて

「ナンバーワン社労士 必修テキスト」を中心に使うことになります。
約3000~3500円程度です。

この本をいきなり買って読んでも無問題でついていくことはできますが、その前にまず「ナンバーワン社労士 入門テキスト」(約1000円程度と非常に廉価な点が大うけで、こちらが「必修テキスト」よりもおすすめの社労士テキストだという声もあるほど)を読んでから手を出す独学者も多数います。

このほか、上級者向けに「ナンバーワン社労士 ハイレベルテキスト」もありますが、こちらは試験範囲ごとに分かれて売られています(約1500~2500点程度です)から全部を買いそろえてやり込むには時間と費用がかかります。

問題集について

「ナンバーワン社労士 過去10年本試験問題集」が有名です。
現在は1~4まで分冊されていますが、これは試験範囲ごとに分けているためです。

1冊1冊は1000~1500円前後で携帯も難しくありませんから出先でやるには向いています

予想問題集として、「ナンバーワン社労士 必修問題集」があります。約3000円程度です。

発行・制作・著作について

TAC社会保険労務士講座

「出る順社労士」シリーズ

出る順社労士

社労士を独学で勉強するなら、テキストを買いに行かないといけませんね。
社労士の独学者によくおすすめされるテキストというと、実は最近は一部のシリーズに人気が集中しています。

そのテキストがどんなシリーズなのか、社労士の独学者になぜおすすめなのか軽く説明します。
ここでは「出る順社労士」シリーズです。

「出る順社労士」は社労士独学者にどれくらいおすすめ?

独学時のテキストに、「出る順社労士」シリーズをおすすめする人はとても多いですね。

特に、「出る順社労士 必修基本書」が独学者におすすめできるテキストだという声が絶えませんが、その理由は、「基本書」と銘打つだけのことはあって試験に出る範囲の知識をほとんどくまなくカバーしているからでしょう。

その分、法律からみっちり説明をする印象があるため難しい法令の条文にアレルギーを感じてしまう人には少し向いていないかもしれません。
現在は「必修基本書」と「ウォーク問」くらいしか目立った刊行点数もないため、その点は少し覚悟を決めてこれらのテキスト類を購入することが、今後の社労士独学者におすすめの態度といえるでしょう。

ウォーク問はもちろん必修基本書とリンクするものですが、これだけ買って使う人も多いですね。
持ち運びやすいサイズですから出先で勉強するのには向いています。

ただし、その分解説が必修基本書ほど充実しているとはいいがたいでしょうか。

テキストについて

「出る順社労士 必修基本書」を中心に使うことになります。約3500円程度です。

<問題集について>

「出る順社労士ウォーク問」シリーズが有名です(「ウォーク問」だけでも通用するほどです)。

「出る順社労士ウォーク問 過去問題集」が約2500~3000円程度で売られていますが「出る順社労士 必修基本書」を買った場合はこの問題集も買ったほうがいいでしょう(もっとも、ウォーク問だけで買う人もかなり多いですね。他の勉強法をとりながらこのウォーク問だけ使うことも悪くはありません)

それから、「出る順社労士ウォーク問 選択式マスター」(約2500~3000円程度)もよく買われています。

発行・制作・著作について

東京リーガルマインド(LEC)

「うかるぞ社労士」シリーズ

うかるぞ社労士

社労士を独学で勉強するなら、テキストを買いに行かないといけませんね。
社労士の独学者によくおすすめされるテキストというと、実は最近は一部のシリーズに人気が集中しています。

そのテキストがどんなシリーズなのか、社労士の独学者になぜおすすめなのか軽く説明します。
ここでは「うかるぞ社労士」シリーズです。

「うかるぞ社労士」は社労士独学者にどれくらいおすすめ?

「うかるぞ社労士」シリーズは、無知な独学者でもついていけるテキストのわかりやすさがじわじわと世間に浸透して、現在のステイタスを確立することができたのではないでしょうか。
今では社労士の独学、または入門用や通学者の補充用のテキストとして筆頭にあげられるほどのネームバリューです。

実際に、ページ構成がはっきりしていて初めて勉強する独学者でもついていける難易度でテキストも問題集も設定されています(初心者が混乱しないでよいような、明瞭なレイアウトを思いついたことは本当に尊敬できる点です)。

ちなみに、年を追って少しずつ社労士試験も変化していますが、その点でこのシリーズはちょっと時代おくれのようになってきた一面もあるでしょうか。
もちろん毎年改訂されていますが「新しい問題の傾向をどれくらい掘り下げているか」、についてはちょっと他のテキストに一歩を譲るようになってきています。

<テキストについて>

「うかるぞ社労士 基本テキスト」を中心に独学者は使うことになるでしょう(以前はただ「うかるぞ社労士」として販売されていました)。約3500円程度です。

独学者はこの「うかるぞ社労士 基本テキスト」をいきなり買って読んでもいいですが、ひと足先に「うかるぞ社労士 入門編」(約2000円程度です)を読んでから手を出す人も多くなりました。
このほか、よく精読した人や試験日が近づいてきた時期の独学者向けに、理解の総まとめをするための参考書も何点か出されています。

問題集について

「うかるぞ社労士 5年間過去問[項目別]」(約3000円程度です)と、「うかるぞ社労士 予想問題集[択一式&選択式]」(約2500~3000円程度です)を、独学者はおそらくセットで買って使うほうがうまくいくでしょう。もちろん全部を徹底してやりつくしたと思ったら、次に買える問題集も何点か用意されています。

発行・制作・著作について

週刊住宅新聞社出版、株式会社労務管理ゼミナール/秋保雅男著述・監修

テキストを買うときの注意

社労士を受験するとなってテキストを買うとき、初心者は買い方をよく勘違いしていることがあります。間違いに気づくまでに時間はけっこうかかるでしょうから、購入しようと手を伸ばす前に、ここに書く注意点をよく頭に叩き込んで後悔しないようにしてください。

1 中古品を買わない

アマゾンやヤフーオークションでは、安くなった中古品が出ていることがよくあります。しかしこれに手を出すことはおすすめできません。

中古品が安くなる理由は、前年かそれより前に出版されているからです。
しかし社労士の試験は毎年変化しますから、わずか1年前であっても、中古のテキストではじゅうぶんな試験対策ができません

2 中身をよく確かめる、できれば目を通す

当たり前のことですが、ネット通販ではこれが原則としてできません。
素晴らしい噂を聞いた場合でも、最低でも1度は目を通したいものです。

電子書籍等では一部だけ見られるサイトもありますが、本屋に行くなり、使用者を探して見せてもらうなりして中身をできるだけ確認する機会をつくり出すべきです(その意味では、本当は通信講座や予備校の、受講者用社労士テキストのほうが、今では中身を一部オンラインで見られるケースが多いですから、とてもおすすめできるものです)。

3 自分にとってわかりやすい構成かどうかを吟味する

人気の社労士テキストはわかりやすさをよく踏まえてつくられているはずですが、たとえば「マンガ形式」にしているものもありますし、図解やイラスト満載にして、パッとみただけでも理解がしやすいものもあります。

4 どこまでの専門性を求めるかを検討する

これは上述の「わかりやすさをどこまで優先するか」と関連しますが、何を追求したテキストを買って読むか、という点です。

社労士の試験範囲は広く(問題にさっぱり出ない部分は多いですが)、それをカバーしようとすると自然とページ数は増え、文字数も多く細かくなります。

とはいえ、最初のうちからそれではついていけないかもしれません。
最初からそれでも自分が耐えられるかどうか、よく検討しないと代金が無駄になります。

5 どんな場所で使うのかも想定する

部屋にこもって勉強できる時間が長いなら、分厚くても問題ないでしょうが、家の外でも勉強する予定があるなら、軽くて薄い教科書や、分冊されているシリーズのほうが便利になります。

6 予備校が関与している市販テキストは、通学前提であることを踏まえて買う

予備校の手が入っているテキストは、基本的に予備校の講義を聴くための導線だと思ってください。「社労士のテキストの良書」というと、予備校が出しているものが多いですね。

ただし、予備校の執筆者は、あくまでも通学してほしいと思いますから、「読んで理解していくと、だんだん最高の対策をしたくなってくる」 「すると、その予備校に入って講師たちの講義を受けたくなる」ように読者を誘導することを期待しながら書いています。

そこに通学する気がゼロで、独学という自宅学習にこだわりたいなら、通信講座等を使うことを前提で勉強の準備をしたほうが建設的です。

社労士の勉強の進め方

勉強の心得

社労士のいいテキストを準備して独学に入る前に、勉強法の予定をしっかり立てたほうが絶対に得をします。初心者に多い勘違いに「テキストを片っ端から読んで頭に叩き込もうとする方法が必要」というものがありますが、こんな社労士の勉強法はいただけません(これは、独学ではないときも同じことなのですが)。

1 全部を念入りに勉強する必要はない

社労士の試験は合格率が低く、とにかく高難易度ですから、確かにそんな社労士に独学で挑むなら暗記は必須ですが、がむしゃらに暗記を繰り返す勉強法は能率がよくありません
実は、社労士の試験ではテキストや参考書に書いてあることが全部出るわけではありません。

社労士の試験科目はたくさんあるので、確かに偏った勉強法はいけませんが 、社労士試験では、全部を解けるようになろうとする必要はまったくありません。
1問1問の積み重ねは大事ですが、試験に1発で通りたいのなら、合格不合格のボーダーラインを絶対に飛び越えられるようにすることを大事に
しましょう。

ここで大切なのは、本テキストだけではなく、過去の試験問題を駆使することです。

2 試験に頻出する範囲を絞り込む

試験問題は5年~10年分手に入れるべきですが、試験問題を見比べると、試験によく出る範囲が絶対にわかるものです
社労士の勉強法、特に独学にこだわって取り組むときは、試験範囲の絞り込みは絶対に欠かせない作業になります。

3 問題をたっぷりと解くことを目指す

独学でもそうでなくても、社労士の勉強法では、早いうちから問題を解くことが大切です(最初は正解できなくて当たり前ですが、とにかく試験問題がどんなものか知らないといけません)。それには、テキストだけではうまくいきません。必ず問題集が必要です。

それから、過去の試験問題を、ただ読んで問題のパターンを把握するだけで終わるのではなく、必ず問題を実際に解いて自分を順応させることが大切ですね(テキストをろくに読んでいない時期から、この作業はやり出してもOKです)。

予想問題集ももちろんやっておくほうが身のためです。それも、時間を計測してやることが大事です。
本番の試験日には、1問あたりの解答時間はほんとうに短いです。よく読まないと解けない問題が多いですが、だからといって何度も読み返して考える暇はありません。

通信講座等を使うと、1問あたりの解答時間の目安が記載されている便利な問題集も送ってもらえることがあります
これらの問題集は、ただ解答が載っているだけではなくて、選択問題の正誤の理由まで載っていて、おすすめですね。