社会保険労務士と中小企業診断士それぞれの資格の特徴について確認したところで、このページからは、さまざまな観点から両資格を徹底比較していきたいと思います。
まず、インターネット上のQ&Aサイトでも、「社会保険労務士と中小企業診断士では、どちらが取得しやすいか?」といった質問をよく見かけます。
この質問の趣旨はすなわち、社会保険労務士試験と中小企業診断士試験では、どちらが難易度が高いか(あるいは低いか)ということだと思いますが、確かに、まずは試験に合格しないことには何も始まりませんので、試験の難易度の違いがもっとも気になるのも頷けます。
さて、試験の難易度を測る物差しにはさまざまなものがありますが、もっともわかりやすいのはやはり「合格率」でしょう。そこでまずは、両試験の合格率の推移を紹介したいと思います。
過去の合格率の推移
社会保険労務士 | 中小企業診断士 (A×B) |
1次試験 (A) |
2次試験 (B) |
|
---|---|---|---|---|
平成21年度 | 7.6% | 4.3% | 24.1% | 17.8% |
平成22年度 | 8.6% | 3.1% | 15.9% | 19.5% |
平成23年度 | 7.2% | 3.2% | 16.4% | 19.7% |
平成24年度 | 7.0% | 5.8% | 23.5% | 25.0% |
平成25年度 | 5.4% | 4.0% | 21.7% | 18.5% |
平成26年度 | 9.3% | 5.6% | 23.2% | 24.3% |
平成27年度 | 2.6% | 5.0% | 26.0% | 19.1% |
平均 | 6.8% | 4.4% | – | – |
以上が、社会保険労務士・中小企業診断士両試験の合格率の推移となります。
社会保険労務士試験の方が間口が広い
中小企業診断士試験は1次試験と2次試験からなります。ですので、中小企業診断士試験の合格率としては、1次試験と2次試験の合格率を掛け合わせたものを掲載しています。
さきほども述べた通り、試験の難易度を測る物差しにはさまざまなものがありますが、殊に「合格率」という観点で見れば、社会保険労務士資格の方が取得しやすい(=試験の難易度が低い)と言うことができます。
ちなみに、社会保険労務士試験は5万人前後の人たちが受験し、4千人前後の合格者が毎年誕生しています。
一方、中小企業診断士の受験者数は毎年2万人前後、合格者も1千人に達しません。「パーセンテージ(合格率)」の面もさることながら、「ボリューム(合格者数)」の面でも、社会保険労務士試験の方が間口が広いと言えるでしょう。